最近は65歳を過ぎても働き続ける人がいますし、趣味の世界を広げていく人も多く、交友関係も含めて何かとお金が必要ですよね。
収入があればいいのですが、年金生活ですと使えるお金には限りがあり、ちょっとまとまった出費が発生したときに困ります。
そういうときは金融機関からお金を借りたいところですが、65歳でもお金借りることができるのか気になりますよね。
ここではそんな人のために、年金生活の高齢者でも融資を受ける方法についてご紹介します。
Contents
このページで分かること
65歳で民間の金融機関からお金借りるには、安定した収入が必須条件になります。
年金しか収入がない場合には、ほとんどの金融機関で融資を断られますので、その場合には福祉医療機構や日本政策金融公庫の年金担保融資を利用しましょう。
年金担保融資は低金利で融資を受けることができますが、返済は年金から天引きされますので、完済までは生活を圧迫する可能性があります。
このため、きちんと完済までの返済計画を立てた上で申し込みする必要があります。
高齢者でもお金を借りることができる?
以前はシニア世代への融資を行わないとしていた金融機関も多いのですが、団塊の世代が高齢者になった頃から、融資基準の見直しが行われ多くの金融機関で貸付け可能な年齢を引き上げています。
代表的な金融機関のカードローンの年齢基準を見ていきましょう。
みずほ銀行カードローン | 満20歳以上満66歳未満 |
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三菱UFJ銀行バンクイック | 満20歳以上65歳未満 |
三井住友銀行カードローン | 満20歳以上満69歳以下 |
横浜銀行カードローン | 満20歳以上満69歳以下 |
アイフル | 満20歳以上の定期的な収入と返済能力を有する (70歳以降の融資は不可) |
アコム | 成人以上で安定した収入と返済能力を有する |
65歳というのがひとつのボーダーラインになっているのが分かりますが、65歳ならギリギリ借りられるという場合と、三井住友銀行や横浜銀行のように69歳まで借りられる場合があります。
また消費者金融の場合には明確な上限を設けていません。
ただし、これらの金融機関から借りる場合には「安定した収入」が必須条件になります。
パートやアルバイトをしていれば問題ありませんが、年金を安定した収入と見なす金融機関は少なく融資を断られるケースがほとんどです。
中小の消費者金融の場合には、年金収入だけの人にも融資をしているケースもありますが、基本的には年金だけの収入では民間の金融機関からお金を借りるのは難しいと考えてください。
一方で、年金以外にも収入がある高齢者に対しては消費者金融や地方銀行が積極的に融資を行っています。
65歳以上でも民間金融機関からお金借りる条件
- 年金以外にも安定した収入がある
- 65歳以上にも融資している金融機関のローンを選ぶ
- 住宅を担保にする
もし民間の金融機関から65歳以上でお金を借りるとするなら、年金以外の安定した収入と65歳以上に融資している金融機関のローンを選ぶことになります。
もし安定した収入がない場合には、住宅を担保にしてお金を借りるしかありません。
住宅を担保にして借りられる商品としては、不動産担保ローンやリバースモーゲージなどがあります。
ただし、これらの商品は担保にできる不動産が必要です。
安定した収入もなく、担保にできる不動産もない場合には、残念ながら民間の金融機関からお金を借りることはできません。
年金収入しかないなら年金担保融資を利用する
年金収入しかない人はどこからもお金が借りられないのかと、がっかりしたかもしれませんが、実は年金を担保にしてお金を借りる方法があります。
それが福祉医療機構と日本政策金融公庫が行っている年金担保融資です。
年金を担保にしてお金を貸すのは禁止されているのでは?そう思うかもしれませんが、この2つだけは高齢者がどうしてもお金が必要になったときに、闇金業者などからの借り入れをしないようにするためのセーフティネットとして融資が認められています。
年金担保融資の種類
年金担保融資は年金の種類ごとに、大きく分けて3種類あります。
年金担保貸付 | 厚生年金・国民年金・船員保険年金 |
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労災年金担保貸付 | 労働者災害補償保険年金 |
恩給・共済年金担保貸付 | 恩給・災害補償年金・共済年金・共済組合が支給する厚生年金 |
年金担保貸付と労災年金担保貸付は福祉医療機構、恩給・共済年金担保貸付は日本政策金融公庫が融資元となってお金を貸してくれます。
それぞれの融資制度の特徴を見ていきましょう。
年金担保貸付
対象 | 厚生年金や国民年金を受給している人 |
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融資元 | 独立行政法人福祉医療機構 |
金利 | 年2.8% |
融資限度額 | 10万円~200万円 (年金の年額の0.8倍、1回あたりの返済額の15倍以内まで) |
使用用途 | 自由 (投機性が高い場合や公序良俗に反する場合は不可) |
返済 | 年金支給額の1/3以内で指定した金額(最低1万円)を自動返済 |
労災年金担保貸付
対象 | 労働者災害補償保険年金を受給している人 |
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融資元 | 独立行政法人福祉医療機構 |
金利 | 年2.1% |
融資限度額 | 10万円~200万円 (年金の年額の0.8倍、1回あたりの返済額の15倍以内まで) |
使用用途 | 自由 (投機性が高い場合や公序良俗に反する場合は不可) |
返済 | 年金支給額の1/3以内で指定した金額(最低1万円)を自動返済 |
恩給・共済年金担保貸付
融資元 | 日本政策金融公庫 |
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使用用途 | 自由 |
返済 | 完済まで自動返済 |
対象 | 恩給・災害補償年金を受給している人 |
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金利 | 年0.36% |
融資限度額 | 250万円まで(担保とする年金の年額の3年分以内) |
対象 | 共済年金・共済組合が支給する厚生年金を受給している人 |
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金利 | 年1.71% |
融資限度額 | 250万円まで(担保とする年金の年額の1.8年分以内)、生活資金は100万円 |
年金担保貸付・労災年金担保貸付は平成34年3月末で廃止
年金担保貸付・労災年金担保貸付は平成34年3月末の申し込みが最終となります。
これ以降は年金を担保にお金を借りることができなくなります。
代替として、社会福祉協議会が実施する「生活福祉資金貸付制度」を利用できますが、廃止されることだけでも頭に入れておきましょう。
年金担保融資の申込み方法
年金担保融資の申込み方法は種類によって違いますので、それぞれの方法についてご紹介していきます。
年金担保貸付・労災年金担保貸付の申込み方法
STEP1.年金を受け取っている金融機関で相談する
STEP2.申込み
STEP3.審査
STEP4.審査に通過したら指定口座に振り込み
年金担保貸付・労災年金担保貸付は年金を受け取っている金融機関が窓口(ゆうちょ銀行、農協、労働金庫は対象外)になります。
まずは、窓口で相談をして申し込みします。審査に通ると指定口座に融資額が振り込まれます。
恩給・共済年金担保貸付の申込み方法
STEP1.日本政策金融公庫で相談する
STEP2.申込み
STEP3.審査
STEP4.審査に通過したら指定口座に振り込み
恩給・共済年金担保貸付は日本政策金融公庫の窓口で相談して申し込みします。
こちらも審査に通ると指定した口座に融資額が振り込まれます。
年金担保融資のデメリットは天引き返済
年金担保貸付・労災年金担保貸付の返済は、年金支給額の1/3以内で指定した金額が、支給された年金から天引きされます。
恩給・共済年金担保貸付は、完済するまで年金から全額が天引きされます。
このため借入額によっては生活費が圧迫されることがあります。
特に恩給・共済年金担保貸付の場合は、借入額が30万円で年金支給額のが20万円ですと、年金支給日には20万円がすべて返済に充てられます。
このため、借り入れするときには完済までの生活費も含めて借りておくなど、返済のことも考えておく必要があります。
年金担保融資は計画的に利用をしよう
65歳でもお金借りることができる年金担保融資は、使用用途が自由で低金利というメリットがありますが、完済するまでは返済が生活を圧迫するというデメリットがあります。
特に恩給・共済年金担保貸付は年金の全額が返済に充てられますので、借りた金額によっては生活費がゼロになってしまいます。
しかも、融資開始までに時間がかかりますし、審査落ちする可能性もあります。
このため、申し込みをする段階では、審査落ちのことも視野に入れておく必要があります。
さらには、返済で苦しまないようにするために、計画的な利用が必須です。
65歳以上の年金受給者にとっての最後の砦ですので、できることなら頼らないでいいように年金の一部を積み立てて、パートやアルバイトをして民間の金融機関からも借りられる環境を整えておきましょう。