本当にお金に困っているのに銀行や消費者金融は融資を拒否し、家族や友だちにも頼れない。
そんなときに「どなたでも50万円まで融資できます」と言われたら、飛び付きたくなりますよね。
でもちょっと待ってください。そんなうまい話はありません。
実際にお金を借りることはできるでしょう。
ただし、驚くような高金利での融資になります。
そのような融資を行っているのが闇金と呼ばれる金融機関ですが、実態をよく知らない人も多いですよね。
ここではそんな闇金でお金を借りたらどうなるかについて、詳しく説明していきます。
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このページで分かること
ブラックリストに載っている人でもお金を借りることができる闇金。
どうしてもお金が必要な人にしてみれば、とても助かる存在のように思えますが、実際には利用した人を抜け出せないドロ沼にハメてしまうとても危険な存在です。
金利は年40%というような比較的低めなものもありますが、「トサン(10日で3割の利息)」「トゴ(10日で5割の利息)」といった、年利で10倍以上の利息を払わなくてはいけない、超高金利で融資するものも珍しくありません。
しかも、完済させないで利息だけを受け取り続けるために、言葉巧みに誘導されてしまいます。
最近はソフト闇金のような応対が丁寧な闇金も増えてきましたが、実態は闇金と同じで利息だけを永遠に払い続けることになります。
利用者の多くが返済できなくなり、利息だけが増えていく仕組みから抜け出せなくなっているのが闇金です。
どんな理由があっても利用しないように気をつけましょう。
知っておくべき闇金の基礎知識
それではまず闇金がどのような金融機関なのか、その基礎知識について理解しておきましょう。
これを理解していないと、ついつい利用してしまうことになります。
どれくらい理不尽で危険なお金の借り方なのかをきちんと把握しておきましょう。
闇金は違法です
闇金はヤミ金、ヤミ金融、闇金融とも呼ばれることのある貸金業者です。
日本では貸金業を行うには国への登録が必要になり、貸金業法に従って営業する必要があります。
これに対して国への登録を行っていない、もしくは貸金業法や出資法に違反する金利で融資を行うのが闇金です。
登録をしていないのも、法律に違反する金利でお金を貸すのも違法行為です。
法律は私たちの生活を守るためにあり、その法律に従っていない貸金業者を利用するということは、安定した生活を失う危険性があるということです。
闇金の特徴はかなりの高金利で融資を行うことにあります。
「高いといっても知れてるんでしょ?」という人もいるかと思いますので、次に闇金でお金を借りたときの金利をご紹介します。
闇金の金利
「トイチ」という言葉を耳にしたことありませんか?
以前流行った闇金マンガで、主人公の闇金業者がお金を貸すときに使っていた金利で、「10日で1割の利息」の通称が「トイチ」です。
これはかなり高い金利だなと思ってマンガを読んでいたかもしれませんが、現実の闇金でトイチは比較的良心的な金利です。
この業界では「トサン(10日で3割の利息)」「トゴ(10日で5割の利息)」も珍しくありません。
もちろん、もちろんもっと金利の低い闇金もあります。
例えば年40%くらいの金利で融資を行うのですが、日本では年20%を超える金利は違法ですので、もちろん年40%でもNGです。
トサンですと、1万円借りたら10日後には3000円の利息を払います。
3000円くらい問題ないと思っていると、そこからドツボにハマっていきます。
10日で返済できなかった場合、利息だけの返済をするか、今度は13千円を融資してくれます。もちろんトサンになります。
なんとなく嫌な予感がしてきましたよね。
それでは実際に利用した人が、どのような末路になったのか、利用したらどういう事態になってしまうのかを、次章で詳しく説明していきます。
闇金を借りたらどうなるの?
金利が高いというのは理解できたとして、実際に闇金でお金を借りたらどうなるのでしょう?いくつかの例を挙げてご紹介していきます。
返済できずに利息だけを払い続ける
闇金を利用した人の典型的な末路が、利息だけを永遠に払い続けるというケースです。
5万円をトサンで借りた場合、実は5万円が手元に入るわけではなく、利息の1.5万円を差し引いた金額が融資されます。
このため、手元には3.5万円しか入りません。
そして、返済するのは10日後に5万円です。
これを返せれば関係は終わりますが、多くの人が返せなくて、10日後に利息だけを払って返済を遅らせてもらいます。
このときの利息はもちろんトサンですので1.5万円です。
これを業界用語でジャンプと呼びます。
きちんと返済すればいいじゃないかと思いますが、闇金業者の狙いがこのジャンプにあり、うまいこと言って完済させないように話を持っていきます。
場合によっては「事前連絡がなかったから返済できない」と理不尽なことを言われることもあります。
そうやって闇金業者のカモになり、何年も利息だけを払い続けている人も現実に存在します。
仮にトサンで1万円借りた場合、単利でも年1095%ですので、なんと109千500円も利息を払いつづけることになります。
取り立てに耐えきれず自殺
利息だけを払い続けるというのであれば、闇金にといてはまだ良い方です。
闇金を利用した結果、闇金の厳しい取り立てに耐えられず、自ら命を断つという人も少なからずいます。
消費者金融や銀行は返済ができなくなっても、厳しい取り立ては行いません。
法律に従って粛々と処理をしていくだけですので、最終的には自己破産などの債務整理を行うだけで済みます。
ところが闇金は存在そのものが違法ですので、法律に従って取り立てを行うなんてことはしません。
家でも職場でも時間に関係なく取り立てにやってきます。
家の玄関に張り紙をされることもあります。
脅迫のような電話がかかってくることもあり、家族の身に危険が及ぶことも考えられます。
そんな状況で自分が保険に加入していると「返済のために死のう」と思いつめてしまいます。
取り立ての苦しみから抜け出すこともでき、家族も守れるならと冷静な判断ができずに自殺してしまうわけです。
マンガのような話ですが、これは実際に発生している悲しい事件であり、闇金を利用するすべての人に起こる可能性があります。
ソフト闇金なら借りても問題ない?
最近は取り立てが厳しくないソフト闇金というものがあります。
きれいな店舗も構えていることもあり、普通の金融業者のような見た目で利用しやすいのが特徴です。
「ソフト」なら安全かなと思って利用する人もいるようですが、ソフトなのは取り立てと接客態度くらいです。
ソフト闇金はもちろん違法なのですが、実は法律の隙間をうまく利用しているので、警察が介入することもなく、それどころかインターネットなどでは堂々と闇金業者であることを名乗っています。
以前の闇金は、それこそ闇に隠れて営業していましたが、ソフト闇金は明るい日のもとで営業しています。
厳しい取り立てがありませんので、とてもメリットがあるように感じますが、返済しなくてもいいというわけではなく、高額な利息を返済することになります。
取り立てに耐えきれず自殺というのはなくても、永遠に利息だけを払い続ける状態にはなってしまいます。
闇金がNGでソフト闇金ならOKとなる理由はどこにもありません。
ソフト闇金でも、1度利用したら抜け出すことはとても難しいということを頭に入れておきましょう。
「自分だけは大丈夫」ということは絶対にない
闇金を利用することがいかに危険であるか、理解してもらえたかと思います。
ただ、いざお金が必要な立場になると、なぜか「自分だけは大丈夫」と思ってしまいます。
「10日後にちゃんと返済すれば問題ないのでしょ?それまでに給料日があるから大丈夫」そう自分に言い聞かせて利用するわけです。
ただ、1回目に返済ができたことで、またお金に困ったときに利用してしまいます。
1万円なら大丈夫が5万円なら、10万円ならとどんどん無理な借り入れをし始めます。
極端な例ですと、ギャンブルをやっている人が一度借りたお金で勝ち、それを忘れられず何度も借金とギャンブルを繰り返して破産に陥ることがあります。
実際の生活が破綻しては元も子もありません。
いずれカジノで使用したクレジットカードの支払ができなくなったり、借金をしたりする恐れもあります。
そうやって被害にあっている人が年間で1万人以上います。
これでも被害人数はかなり減ったほうで、1年で10万人近くが被害にあっていたこともありました。
今は取締も厳しくなっていますが、それゆえに闇金業者もうまくたち振る舞っています。
そのひとつがソフト闇金という存在です。
闇金であってもソフト闇金であっても、利用した人の多くが泥沼から抜け出せなくなります。
絶対に利用しないこと。
もし利用してしまって、抜け出せなくなったのであれば弁護士に相談して助けてもらいましょう。