最近では老後の資産構築を目指して、株式投資を始める方もいることでしょう。そして
株を売買した場合には税金が掛かります。
株にはキャピタルゲインとインカムゲインがあり、売買益と配当金の2種類に分かれていますが、それぞれ税金が掛かるので投資家は理解していなければいけません。
しかし、投資初心者にとって、税金の計算は株の売買や口座開設を覚えるよりも難しい・苦手意識を持つケースも珍しくなく、悩んでいるかと思います。
かといって株の税金について理解できていないと、確定申告で思わぬミスを招き追加徴税や損をしてしまうリスクもあり、必ず覚えておくべきです。
そこで今回は株式投資初心者の中でも税金について悩んでいるあなたへ向けて、株に掛かる税金の種類や仕組みをはじめ、計算方法や確定申告について基本から解説します。
税金は株に限らず他の投資でも掛かるので、この機会に基本から覚えておきましょう。
株式投資に掛かる税金とは

冒頭でも少々触れていますが、株にはキャピタルゲインとインカムゲインと呼ばれる2種類の利益があります。
株の税金を考える上で、計算方法を理解することも大切ですがその前に、前述の利益と税金の関係についても把握しておかなければ、ややこしくなってしまうでしょう。
そこでまずは株の利益から徐々に税金の基本について解説します。
株の税金は利益の種類から考える
株にはキャピタルゲインとインカムゲインの2種類に分けられ、それぞれ以下の意味を指しています。
株の利益
- キャピタルゲイン:売買によって得られる利益
- インカムゲイン:株の配当金など保有によって得られる利益
たとえば1株100円で購入して、200円で売った場合に100円の差益が発生したとします。
キャピタルゲインは、100円の差益のことを指すのです。
そしてインカムゲインとは、売買益のことではなく株を保有することで得られる配当金のことを指します。
株の売買に掛かる税金の仕組みと計算方法

株のキャピタルゲインとは、売買によって得られる利益のことで税金が掛かります。
正確には譲渡益課税と呼ばれる課税方法に該当し、申告分離課税になるのです。
簡単に説明すると、給与所得などとは別に税金の計算を行う方式で、株の売買で得た利益のみで所得税を算出します。
そして譲渡益税の計算範囲は、取引を行った年の1月1日~12月31日までの利益を全て含めるのが基本です。
また、個々の取引を帳簿に記録するなど、明確にしておきましょう。
計算方法は以下になります。
- (売買益-株の取得に掛かった費用と手数料)×20.315%=譲渡所得
- 20.315%の内訳:所得税15.315%、住民税5%
小数点以下の税率は、復興特別所得税が加わっているためで2037年まで適用されます。
株の配当金に掛かる税金の仕組みと計算方法
株の配当金に掛かる税金も譲渡所得と同じく、20.315%の税率が課税されますが課税方式については、以下の3種類から選ぶことができます。
- 申告分離課税:配当所得として配当金のみの利益で税金を計算し申告
- 総合課税:他の所得と合算して税金を計算して申告
- 源泉徴収のみにすることで納税を完了させる:申告不要
合算して計算する方が手間もかからないと感じるのであれば、総合課税がおすすめですし、節税などについて手間をかけるぐらいなら取引したい場合は申告不要がおすすめです。
どのようなスタンスで税金と申告について考えているかで、配当金の課税方式を選びましょう。
また、少額配当などでは、申告分離課税が選択できないので確認しましょう。
また、配当金に掛かる所得区分は、配当所得に区分され主に以下の計算で所得を求めます。
- 配当金×20.315%
株の税金を計算したら確定申告を行う

株で利益をなぜ税金の計算を行うのか、当たり前ですが税金を納めるためです。
そして税金を納めるためには、確定申告の手続きが必要ですので基本から覚えておきましょう。
ここでは所得税と確定申告の基本と、証券口座によって申告に関する取り決めが変わることを解説します。
確定申告とは所得税を申告する
確定申告でできることは、所得税の申告や控除手続きなどになります。
そして株の譲渡所得と配当所得も、所得税のことでそれぞれ税率や計算方法など、細かなルールが異なっています。
確定申告期間は、毎年2月18日~3月15日頃に行われていて、書類による申告だけでなく自宅で電子申告も可能です。
そして確定申告のために各税金の計算を行ったり、記録を付けたりすることを帳簿付けといい、確定申告の前年1月1日~12月31日分に掛かる取引を全て記録します。
帳簿付けをしておかないと確定申告書類の作成ができないので、会計ソフトなどを活用して効率よく記録しておきましょう。
証券口座によっては確定申告を代行してくれる

株で利益を得たら所得税を納める必要があることには変わりません。
しかし、証券口座によっては、証券会社が計算から申告まで代行してくれます。
以下に証券口座と意味をご紹介します。
- 源泉徴収有りの特定口座:投資家は確定申告不要、証券会社が代行
- 源泉徴収無しの特定口座:証券会社が作成した年間取引報告書を基に確定申告を行う
- 一般口座:年間の取引記録の整理や計算など全て自分で行い、尚且つ確定申告を行う
株初心者の方や計算や整理の時間が無い方は、源泉徴収有りの特定口座を選ぶことをおすすめします。
株の税金の計算方法は難しいものではない

株の税金や計算方法と聞くと、多くの方は難しい、面倒といったイメージを持つことでしょう。
確かに大量の取引記録を1度にまとめて行えば手間が掛かりますし、簡単とまではいえません。
しかし、日々の取引記録をこまめに記録しておけば、確定申告時に面倒な計算を行いながら書類作成する必要はありません。
また、株の税金は譲渡所得と配当所得の2種類で、どちらも20.315%の税率で変わらないので、極端に難しい計算ではないでしょう。
また、それでも税金の計算や手続き苦手意識を持っている方は、証券会社が年間の取引記録の作成から申告まで代行してくれる、源泉徴収有りの特定口座を選ぶといいです。
今回は基本中の基本を紹介しましたが、節税として損益通算や控除についても勉強するのがおすすめです。