お金を借りる条件

母子家庭なら低金利でお金を借りれる!|母子福祉資金貸付金の申込方法

明るいお母さんと赤ちゃん

母子家庭では、子供が大きくなるまで安定した仕事に就くことが難しく、多くの家庭が経済的にも苦しい状態になっています。

母子家庭の平均年収は220万円程度で、200万円以下ということも珍しくありません。

子どもを育てるには十分とはいえない収入ですよね。

でも、そういう状況だからこそ、子どもにしっかりした教育を受けさせたい、不便な思いをさせたくないというのが親心ですよね。

そういうときに助けになるのが、国によるセーフティネットのひとつである母子福祉資金貸付金制度です

ここでは母子福祉資金貸付金制度がどのような制度で、どうすればお金借りることができるのかについて分かりやすくご紹介していきます。

このページで分かること

母子家庭や父子家庭でお金が必要になった場合には、母子福祉資金貸付金制度を利用してお金を借りることができます。

収入がない場合や経済的自立できている場合には融資を受けることができませんが、原則無利子で生活資金や就業就学のための資金を借りられます

ただし、審査に2週間〜1ヶ月程度かかるため、今すぐにお金が必要だというケースでは利用できません。

審査落ちした場合や、急いでお金が必要なケースでは銀行や消費者金融のカードローンを利用する必要があります。

母子福祉資金貸付金制度とは

母子福祉資金貸付金制度は、母子家庭や父子家庭の父母の経済的自立を支援するために、厚生労働省管轄で、各都道府県が貸付けを行う公的な制度です。

この制度の特徴は、無利子もしくは低金利でお金を借りることができるという点にあります

ポイントは各都道府県が貸付けを行うという点で、地域によって利用できる貸付金の種類や金額に違いがあります。

また、母子家庭なら誰でも利用できるというわけではなく、審査を通った人だけが融資を受けられます。

母子福祉資金貸付金は誰が利用できる?

母子福祉資金貸付金を利用できるのは下記に該当する人たちです。

  • 母子家庭の母
  • 父子家庭の父
  • 母子家庭や父子家庭で扶養されている児童
  • 寡婦

寡婦は配偶者のいない女性で、かつて母子家庭の母であった人のことを言います。

この制度を利用するには、このいずれかに該当する必要があります。

ただし、これだけで利用できるわけではありません。この条件に加えて下記の2点も求められます。

  • 収入がある
  • 収入が多すぎない

この制度は貸付けですので、貸す側にしてみれば貸したお金を回収する必要があります。

このため、いくら困っていても収入のない人には融資してくれません(一時的に収入がない場合は除く)。

また、十分な収入がある場合にも利用できません。

十分な収入の目安は地域によって違いますが、大阪府の場合には母子(父子)家庭で世帯主の年収が550万円未満、寡婦や子を扶養していない女性は2036千円以下の場合に限りお金借りることができます。

母子福祉資金貸付金の金利

修学資金、就学支度資金、修業資金、就職支度資金(児童対象分) 無利子
その他の資金で連帯保証人あり 無利子
その他の資金で連帯保証人なし 年1.0%

 

母子福祉資金貸付金の種類

母子福祉資金貸付金制度で借り入れできる資金の種類としては、下記の12種類があります。

  1. 修学資金
  2. 就学支度資金
  3. 修業資金
  4. 技能習得資金
  5. 生活資金
  6. 医療介護資金
  7. 住宅資金
  8. 転宅資金
  9. 就職支度資金
  10. 事業開始資金
  11. 事業継続資金
  12. 結婚資金

このほかにも特例児童扶養資金がありますが、平成14年7月までが貸付対象となっています。このため現在は特例児童扶養資金を借りることはできません。

また、都道府県によっては上記12種類であっても、利用を中止している資金もあります。

それぞれの資金について、神奈川県を例に簡単にご紹介していきます。

修学資金

高校や大学などへの就学に必要な授業料などの資金。

貸付対象 児童・子
貸付限度額 月額1.8万〜18.3万円(進学先による)

 

就学支度資金

高校や大学などへの就学に必要な入学金や授業料などの資金。

貸付対象 児童・子
貸付限度額 15万〜58万円(進学先による)

 

修業資金

児童や子が就労するために必要な知識や技能を習得するための資金。

貸付対象 児童・子
貸付限度額 月額6.8万円(運転免許証の取得の場合は46万円)

 

技能習得資金

母や父、寡婦が就労するために必要な知識や技能を習得するための資金。

貸付対象 母・父・寡婦
貸付限度額 月額6.8万円(一括貸付 81.6万円)

 

生活資金

知識や技能を習得中、医療や介護を受けているなどの理由で、収入が途切れているときに生活を安定させるための資金。

貸付対象 母・父・寡婦
貸付限度額 月額6.9万〜14.1万円

 

医療介護資金

医療や介護を受けるための資金。

貸付対象 母・父・児童・寡婦
貸付限度額 医療34万(特に経済的困難な場合48万円)介護50万円

 

住宅資金

家を建てたりリフォームしたりするときに必要な資金。

どうしても建て替えやリフォームが必要になったときに利用できます。

貸付対象 母・父・寡婦
貸付限度額 150万円(特別な場合は2000万円)

 

転宅資金

生活を安定させるために家賃の低い住居に移転したり、就労のための移転したりするために必要な資金。

貸付対象 母・父・寡婦
貸付限度額 26万円

 

就職支度資金

就職をするのに必要なスーツや靴などを購入するための資金。

貸付対象 母・父・児童・寡婦
貸付限度額 10万円(自動車購入は33万円)

 

事業開始資金

事業を始めるのに必要な設備や材料などを購入するための資金。

貸付対象 母・父・寡婦
貸付限度額 285万円

 

事業継続資金

営んでいる事業を継続するために必要な商品や材料を購入するための資金。

貸付対象 母・父・寡婦
貸付限度額 143万円

 

結婚資金

母子家庭の児童や子どもが結婚するために必要となる結婚式・披露宴資金や、新居の家具などを購入するための資金

貸付対象 児童・子
貸付限度額 30万円

 

母子福祉資金貸付金制度の申込み方法

STEP1.市区町村の児童福祉所管課や都道府県の保健福祉事務所に相談
STEP2.申請
STEP3.審査
STEP4.貸付けが決まったら手続き
STEP5.貸付金の融資開始

母子福祉資金貸付金制度を利用するには、まず窓口での相談を行わなくてはいけません。

本当にお金が必要なのか、現在の収入でなんとかならないかなどを確認され、適切な借り入れだと判断された場合にのみ申請を受け付けてもらえます

審査期間は早くても2週間、長い場合には1ヶ月以上かかることもあります。

審査が通れば窓口で手続きを行います。

インターネットや電話などでの対応ができず、常に窓口対応が必要になることを頭に入れておきましょう。

利用するメリットとデメリット

低金利もしくは無利子でお金借りる母子福祉資金貸付金制度ですが、それ以外にもメリットがあります。

もちろんデメリットもありますので、メリットとデメリットについてそれぞれご紹介します。

メリット

  • 無利子で借りられる
  • 無理のないスケジュールで返済できる
  • 相談することで別の解決策も提案してもらえる

メリットで大きいのはやはり無利子融資です

連帯保証人がないと金利が発生する資金もありますが、原則として無利子ですので民間の金融機関のように利息を払う必要がありません。

また、返済期間が長く据置期間もありますので、無理のない返済が可能です。

さらには、相談した上での申請になりますので、母子福祉資金貸付金制度以外からお金借りるための方法について提案をしてもらえます。

デメリット

  • 申請から貸付けまで2週間〜1ヶ月かかる
  • 審査に落ちることがある
  • 無職の人や十分な収入がある場合には利用できない

デメリットは、すぐにお金を手にすることができないということと、審査落ちする可能性があるということです

審査には2週間〜1ヶ月かかり、そこまで待った結果が審査落ちでしたら、ただ時間を消耗しただけということになります。

しかも今すぐお金が必要というときには利用できません。

さらには、無職の人や十分な収入がある場合には利用できませんので、借りられる人が限られてしまうというのもデメリットです。

審査に落ちた場合や急ぎの場合にはカードローン

母子福祉資金貸付金制度でお金借りるときには、審査に落ちたときのことも考えておく必要があります。

この制度は母子家庭が経済的自立をするのをサポートするためにありますので、すでに経済的自立を果たしていると判断された場合には融資を受けられません

そして、審査に2週間〜1ヶ月かかりますので、今すぐにお金が必要という場合にも使うことができません。

このような場合には、銀行や消費者金融のカードローンを利用しましょう。

利息は発生しますが、短期間で返済すればそれほど高額な利息にはなりません。

ただし、カードローンを利用する場合には安定した収入が必要です。

収入が少なすぎて母子福祉資金貸付金制度を利用できなかった場合には、残念ながらカードローンも利用できません。

この場合には、生活福祉資金貸付制度を利用しての借入申請をしてみましょう。

こちらも、一定の収入が必要ですが、母子福祉資金貸付金制度で融資を受けられなかった人でも利用できることがあります。

完全に収入がないという場合には、生活保護を受けることも視野に入れておきましょう。