日本の完全失業者数は平成30年11月で約168万人もいます。
これは職を求めている人の数ですので、ニートなども含めれば実際にはもっと多くの人が無職の状態にあります。無職という意味では専業主婦や学生も無職ですよね。
こういう立場の人でもお金が必要になるときがありますよね。
そういうときは家族から借りるのが1番ですが、すべての人が家族から借りられるわけではないですよね。
そうなるとどうやってお金を調達すればいいのでしょう。
ここではそんな無職の人たちがお金を借りる方法について詳しく説明していきます。
Contents
このページで分かること
無職でも属性の違いによって、お金を借りることができる人と借りられない人がいます。
就職が決まっている学生と専業主婦は民間の金融機関から借りることができ、年金受給者や失業者は公的な資金の借り入れが可能です。
ニートのように働く意志がない場合はどこからも借りることができません。
学生 | 内定者ローン・奨学金 |
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専業主婦 | 銀行のカードローン・貸金業者の配偶者貸付 |
年金受給者 | 年金担保融資 |
失業者 | 総合支援資金 |
借入方法も属性によって違います。
上記の組み合わせで融資を受けられますが、いずれも審査がありますので、融資を断られることも想定しておく必要があります。
お金を借りられる無職と借りられない無職の違い
とても重要なことですので、まず結論から伝えておきます。
収入がまったくない人がお金を借りる方法はありません。
どの金融機関も返済を約束するから貸してくれるのであって、返済するお金もない人に貸してくれる民間の金融機関はありません。
ただし、返済できる人に対しては無職であっても、属性によっては融資を行ってくれるケースもあります。
学生 | 就職が決まっていれば可 |
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専業主婦 | 金融機関によっては可 |
年金受給者 | 借入不可 |
失業者 | 借入不可 |
ニート | 借入不可 |
就職が決まっている学生であれば、将来的に返済できる可能性が高いため、アルバイトをしていなくても借りることができます。
専業主婦も配偶者に収入があり、配偶者の同意があれば融資を受けられます。
年金受給者は年金収入がありますが、年金は生活するための原資ですので、それを担保に融資を受けることが禁止されています。
それでも、以前は「担保にするわけではないから」という理由で融資をしている金融機関もありましたが、最近はどの金融機関も年金受給者への融資を断っています。
失業者は就業する意志があったとしても、仕事が決まっていない以上は金融機関がお金を貸すことはできません。
就業する意志のないニートにお金を貸さないのは言うまでもありません。
属性ごとのお金の借り方
年金受給者と失業者、ニートは民間の金融機関から借りることができないとお伝えしましたが、年金受給者と失業者だけはセーフティネットが用意されていて、公的な機関から融資を受けることができます。
ここでは学生や専業主婦も含め、属性ごとのお金の借り方をご紹介します。
アルバイトをしていない学生は内定者ローン
学生の場合には、就職先が決まっていれば内定者ローンを利用できます。
すべての金融機関で用意されているわけではありませんが、地方銀行や労働金庫でまとまったお金の融資をしてくれます。
使用用途は自由ですが、申し込みをするときに申請が必要になります。
例えば卒業旅行の資金として20万円借りたとします。
この20万円は卒業旅行の資金以外には利用できません。
そして、カードローンのような追加融資も受けられません。
一般的にフリーローンや多目的ローンと呼ばれるものと同じ商品だと考えてください。
金利は年2.5〜8%とかなり低めで、なおかつ初任給が入るまでの一定期間は返済を据え置きしてもらえるというメリットがあります。
デメリットは利用条件が厳しいという点です。
労働金庫の場合には、原則としてその地域に就職する見込みの人でないと利用できません。
また、学生の場合には奨学金を借りるという選択肢もあります。
有利子の奨学金であれば、借りるための条件は厳しくありません。
月額での借り入れになりますので、こちらはまとまった額の借り入れには適していませんが、年1%以下の金利で借りることができます。
学生で注意してもらいたいのは、いずれの借り入れも借金だという認識を持つということです。
借りたからには必ず返済しなくてはいけません。
無計画に借りて奨学金を返せなくなる学生が増えています。
どこから借りるにしても、完済するまでは仕事を辞めない覚悟で借りるようにしましょう。
内定者ローン金利 | 年2.5〜8% |
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奨学金 | 年1.0%以下 |
専業主婦が借りるのは銀行カードローンか貸金業者の配偶者貸付
仕事をしていない専業主婦が借りるには、基本的に夫の収入を頼りに融資を受けます。
借入方法は下記のいずれかになります。
- 銀行のカードローン
- 貸金業者の配偶者貸付
銀行でもメガバンクなどは収入のない専業主婦への融資は行っていませんが、地方銀行やネットバンクの場合には「夫の同意がある」という条件で専業主婦への貸付けを行っています。
融資可能額は30万〜50万円程度ですが、低金利で借りることができます。
ただし審査は厳しく、夫のステータスが低い場合には融資を断られる可能性があります。
大手企業に長年勤めているなら、銀行からの借り入れも可能ですが、転職したばかりや個人事業主の場合には年収が高くても審査落ちすることもあります。
また、消費者金融などの貸金業者は総量規制というルールによって、収入のない人への融資をしてはいけないことになっています。
ただし専業主婦への救済措置として、配偶者の収入の1/3までなら借り入れできるという配偶者貸付という特例が用意されています。
これに対応した金融商品を中小の消費者金融が用意しており、これなら収入のない専業主婦でもお金を借りることができます。
夫の年収の1/3まで借りられますので、高額な借り入れも可能ですが、夫の同意書が必要ですので、内緒で借りるといったことができないというデメリットがあります。
銀行のカードローン金利 | 年1.8〜15% |
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貸金業者の配偶者貸付金利 | 年8〜20% |
年金受給者が借りるなら年金担保融資
年金を担保にして融資してはいけないことになっているとお伝えしましたが、年金受給者でもまとまったお金が必要になることもあり、そんなときに闇金業者などを使ってしまう恐れがあるので、それを回避するために福祉医療機構と日本政策金融公庫が特別に融資を行っています。
どちらを利用できるのかは年金の種類によって違います。
福祉医療機構 | 厚生年金・国民年金・船員保険年金・労働者災害補償保険年金 |
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日本政策金融公庫 | 恩給・災害補償年金・共済年金・共済組合が支給する厚生年金 |
会社員や自営業だった人は福祉医療機構から、公務員だった人は日本政策金融公庫から借りることができると覚えておきましょう。
いずれも低金利で融資を受けることができますが、返済は年金からの天引きになるため、不用意な借り入れは生活費を圧迫することになります。
特に日本政策金融公庫からの借り入れは、完済まで自動的に年金の全額を返済に充てられます。
また福祉医療機構の年金担保貸付・労災年金担保貸付は平成34年3月末の申し込みが最終となることが決まっています。
このため、それ以降は社会福祉協議会が実施する「生活福祉資金貸付制度」を利用して借り入れすることになります。
年金担保融資金利 | 年0.36〜2.8% |
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失業者は総合支援資金を利用して借り入れする
失業者に対してはどの金融機関も融資をしてくれませんので、国による生活困窮者支援を頼ることになります。
生活支援金 | 複数世帯 月20万円以内 単身世帯 月15万円以内(3ヶ月を目安に最長12ヶ月) |
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住居入所費 | 40万円以内 |
一時生活再建費 | 60万円以内 |
連帯保証人がいる場合には無利子で借りることができ、いない場合でも年1.5%で借りることができます。
据置期間は最終貸付日から6ヶ月以内ですので、それまでの期間までに就業する必要があります。
融資を受けるには市区町村社会福祉協議会に相談する必要があり、借り入れできるまでに時間がかかるため、今すぐお金が必要というケースには適していません。
また、就業する意志がない人や、すでに多額の借金がある人も融資を受けられないというデメリットがあります。
再就職する意志があり、それまでのつなぎとしてお金が必要という人のため借入方法だと考えてください。
総合支援資金金利 | 無金利 or 年1.5% |
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無職の状態を抜け出すことを最優先する
無職でも属性次第でお金を借りれることが分かってもらえたかと思います。
ただし、公的な機関からしか借りられなかったり、買い入れできる金額が小額だったりと、どうしても制約が入ってしまいます。
ただ、これはお金を返せなくなるリスクを考えてのことです。
無職の場合にはどうしても返済リスクが高いので、返せる可能性が高い人にしか融資はできませんし、融資するにしても現実的に無理のない返済ができる額までに限られてしまいます。
借りすぎて返済で苦しむのは利用者だと考えれば、ある程度の制約は仕方ないと考えましょう。
それよりもまずは、なんとかして無職の状態を抜け出すことを最優先しましょう。
アルバイトを3ヶ月以上続ければ消費者金融でも融資してもらえます。
どんな形であっても働いて収入があれば借入先の選択肢が広がりますし、借り入れできる額も増えます。
無職である事情はそれぞれ違うかとは思いますが、お金を借りなくてはいけないような状態であるなら、限定された借入先を頼りながらも、一刻も早く無職の状態から抜け出すことを目指しましょう。