最近は苦学して学校に通うという人も少なくなりましたが、それでも大学や専門学校に通うにあたって親の支援を受けられないという人はいますよね。
アルバイトをするにしても、学業を優先すると生活するのにギリギリの金額しか稼げません。
そのような学生さんの悩みは、学費や授業料などのまとまったお金の支払いですよね。
来月までに学費を用意しないと進級できない。
でも将来のために、少し無理してでもお金を工面したいところですよね。
安心してください。そんなピンチを乗り切る方法はちゃんと用意されています。
ここでは学費を払えないで困っている学生のために、まとまったお金を用意するための方法をご紹介します。
お金がなくて学費が払えないよ~!
もう、ボクは学校を辞めないといけないの?
学生を救ってくれる制度は整っておるんじゃ!
これから学生が学費や授業料を工面する方法を教えるぞい。
Contents
このページで分かること
学費を借りる方法としては奨学金がベストですが、数十万円といった奨学金はまとまったお金を借りることができません。
このため、学費のために借りるには6親等以内の親族に国の教育ローンを借りてもらうことになります。
低所得者世帯なら生活福祉資金貸付制度の就学支度費を使うという方法もありますが、こちらは最大で50万円までしか借り入れできません。
積み立ててきたお金の不足分を埋めるのには利用しましょう。
アルバイトをしているなら銀行や消費者金融のカードローンも借りられますが、学生が借りられるのは5万〜10万円程度です。
学費や授業料の支払いにはまったく足りませんので、それらを工面した後の生活が苦しくなったときの借入先として利用しましょう。
理想は奨学金を借りること
学生がお金を借りる場合の優先順位としては、最初に考えるべきなのが日本学生支援機構の奨学金です。
奨学金には給付型と貸与型の2種類があり、貸与型には無利息のものと利息が付くものの2つに別れます。
給付型 | 返済の必要がない |
---|---|
貸与型(無利息) | 利息ゼロで借りただけ卒業後に返す |
貸与型(利息あり) | 借りたお金に利息をつけて卒業後に返す |
給付型と無利息の貸与型は、利用するための条件が厳しいので誰でも借りられるわけではありませんが、利息ありなら借り入れできる基準がゆるく借りるのはそれほど難しくありません。
また、入学月に限り特別増額で借りることができます。
ただし、入学時特別増額を除いて基本的には月額での融資ですので、まとまったお金を借りることができません。
また、大学や専修学校、高等専門学校などなら利用は可能ですが、民間の専門学校などに通っている場合には利用できません。
とはいえ、理想は奨学金の借り入れです。
利息がついても月0.5%以下ですので、かなり抑えることができます。
このため、奨学金を早い段階で借りておき、それを積み立てておいて学費に充てるようにしましょう。
でも利息がついても月0.5%以下って魅力的だなぁ。
学費は国の教育ローンで借りる
計画的に奨学金を借りられているなら、それを積み立てて学費に充てられますが、すでに数ヶ月後に支払いが迫っているという場合には、奨学金だけでは不足してしまいます。
そういう場合に利用するのが日本政策金融公庫が行っている教育一般貸付です。
教育一般貸付は国の教育ローンとも呼ばれています。
日本政策金融公庫は国による政策金融機関で、ここから借りるということは国から借りるということになります。
ご利用条件
・お子さまの人数に応じて、幅広い世帯年収の方に対応(世帯年収200万円以下の方などには優遇制度もあり)
・さまざまな学校・幅広い用途に対応
大学・短大はもちろん、専門学校や高校の資金にもご利用可能
入学金や授業料だけでなく、定期代やパソコン購入費にも使える
・日本学生支援機構の奨学金との併用もOK引用元:日本政策金融公庫「国の教育ローンご利用条件」
この国の教育ローンでは、教育を受けるのに必要なまとまったお金を借りることができます。
融資可能額 | 350万円 |
---|---|
金利 | 年1.78%(固定金利) |
融資までにかかる日数 | 20日程度 |
これだけのお金を借りられたら、学費の支払いには十分ですよね。
ただし、国の教育ローンを学生自身が申込人になるのはかなり難しく、成人していることと安定した収入が求められます。
このため、通常は親に借りてもらうか6親等以内の親族に借りてもらう必要があります。
民間の教育ローンも同じように本人が借りることはできません。
自分で借りるという選択肢しかない場合には、教育ローンでの借り入れは諦めてください。
教育ローンについて詳しく解説した記事もあるぞい。

低所得者世帯なら生活福祉資金貸付制度の就学支度費
もし、親が低所得者世帯であるなら、生活福祉資金貸付制度の就学支度費を利用するという方法もあります。
生活福祉資金の貸付けの対象となる世帯は下記のとおりです。
低所得世帯…資金の貸付けにあわせて必要な支援を受けることにより独立自活できると認められる世帯であって、必要な資金を他から借り受けることが困難な世帯(市町村民税非課税程度)。
引用元:全国社会福祉協議会「生活福祉資金」
市町村民税非課税世帯であれば、国の福祉制度を利用した借り入れが可能で、その中に教育や就学を支援する項目があります。
教育支援費は奨学金と同じように月々の借り入れになるため、まとまったお金が必要なときには利用できませんが、就学支度費であれば50万円までを無利子で借りることができます。
返済も卒業後6ヶ月まで据え置きしてもらえますので、就職後の返済が可能です。
審査が厳しく時間がかかり、世帯内で連帯保証人が必要というデメリットもありますが、無利息でまとまったお金を借りられますので、国の教育ローンを借りられなかったときなどの、セーフティネットとして覚えておきましょう。
ただし、借入可能なのが50万円ですので、就学支度費だけで学費を払うのは難しいかと思います。積立がある場合の不足分を補う形で利用しましょう。
金融機関のカードローンで借りる
もしアルバイトをしているなら、銀行や消費者金融などのカードローンを利用するという方法もあります。
アルバイトでは融資を受けるのは難しいのでは?そう思うかもしれませんが、収入に見合った金額の借り入れであればそれほど審査は厳しくありません。
ただし、学生が借りられるのは5万〜10万円程度ですので、授業料の支払いという意味では焼け石に水程度ですよね。
なんとかしてお金を工面したものの、生活が苦しくなってしまったときの借入先くらいに考えておきましょう。
5万〜10万円の借り入れですと、金利は15〜18%くらいとかなり高金利になります。
本当に困ったときだけ使うようにしてください。

借り方ごとのメリットとデメリット
ここまでご紹介した4つの借り方について、それぞれのメリットとデメリットをまとめておきます。
奨学金
- 無利息もしくは低金利で借りることができる
- 卒業後に学生本人が返すことができる
- まとまった額の借り入れができない
国の教育ローン
- 低金利で借りることができる
- まとまった金額の借り入れができる
- 学生本人は借りることができない
生活福祉資金貸付制度の就学支度費
- 無利息で借りることができる
- 卒業後6ヶ月まで返済を据え置きできる
- 低収入世帯でないと利用できない
- 融資に時間がかかる
- 50万円までしか借りられない
カードローン
- 即日で借りることも可能
- 学費を全てまかなえるほど借りられない
- 他の借り方よりも金利が高い
借金をしているという意識を持つこと
重要なポイントをおさらいしておきましょう。
- まずは奨学金での借り入れを検討する
- 支払期限まで時間がない場合には国の教育ローンを利用する
- 国の教育ローンを借りてくれる親族がいない場合には生活福祉資金貸付制度を利用する
この順番で資金を工面できないか検討してみてください。
学生自身が大きなお金を借りられる方法はかなり限られていますので、これで借りられない場合には、学生課に相談するなどして対処方法を提案してもらうのもひとつの方法です。
また、うまく借りられたとしても安心してはいけません。
このお金は借りたのであって、将来的に返済しなくてはいけない借金です。
友達付き合いなどもあるかとは思いますが、普段から節制してお金を無駄遣いしない習慣を身に着けておきましょう。
そして、社会人になったらいち早く借りたお金を返済することと目指してください。
お金を借りるというのは完済をして始めて終わりになります。
学費を借りるとなると高額な借り入れになりますので、きちんと責任を持って返済していく準備をしておきましょう。