何ヶ所からもお金を借りていると、それぞれに返済日が違って、毎日のように返済に追われている気分になってしまいますよね。
頭の中はお金の調達方法のことでいっぱいで、仕事が手に付かないというくらいまで追い込まれる人もいます。
そういう人におすすめなのが「おまとめローン」です。
複数の借金を1本にまとめることのでき、返済のプレッシャーから開放してくれるとてもありがたい金融商品です。
ここではそんなおまとめローンについて、借金のまとめ方も含めて詳しく説明していきます。
ただし、デメリットもあるんじゃ…。これから解説していくぞい。
Contents
このページで分かること
いくつもの金融機関から借りたお金のまとめ方として、おまとめローンがあります。
借金を一本化することで、月々の返済額を減らして無理のない返済環境を整えることができ、借金の返済というプレッシャーから開放されます。
ただし、返済期間が長くなるため返済総額が増えてしまったり、審査が厳しくて誰でも利用できるわけではなかったりと、デメリットもいくつかあります。
それでも、多重債務で首が回らなくなった人にとっては数少ない救済措置のひとつです。
4〜5社からの借り入れがあり、毎日のように返済に追われていて精神的に厳しいという人は、完全に追い込まれる前に借金の一本化を目指しましょう。
おまとめローンとは
おまとめローンは複数の業者から借りているお金を1つのローンに借り換えて1本化できる商品です。
どのようなメリットがあるかは後ほど詳しく説明しますが、複数になった返済を1本化することによって、無理のない返済に切り替えるための金融商品です。
それはおまとめローンではなくカードローンでも1本化できるのでは?と思うかもしれませんが、消費者金融のカードローンは総量規制というルールによって、年収の1/3までしか借りることができません。
1 お借入れの総額は年収の3分の1までです
過度な借入れから消費者の皆さまを守るために、年収などを基準に、その3分の1を超える貸付けが原則禁止されています(総量規制)。
引用元:日本貸金業協会「貸金業法について」
例えば年収が450万円だとすると、総量規制によって消費者金融からは150万円までしか借りることができません。
借金の総額が100万円だとすると、カードローンでの新規の借り入れは50万円までということになりますので、1本化ができません。
ローンに詳しい人なら「銀行のカードローンなら総量規制の対象外だから問題ないのでは?」と思うかもしれません。
実際に数年前までは銀行がカードローンをおまとめローンとして利用できると宣伝していました。
ところが、銀行のカードローンをおまとめローンに使えることが、過剰融資を引き起こす可能性があると金融庁から調査が入りました。
さらには社会的な批判も集まったことで、現在は銀行のカードローンをおまとめローンとして利用できない状態にあります。
このため、現状では消費者金融の「おまとめローン」だけが、借金の1本化に利用できます。
この商品は借金の総額が増えるわけではないということで、年収の1/3を超える金額の借り入れが認められています。
年収の1/3を超えても消費者金融の「おまとめローン」なら大丈夫じゃぞ。
おまとめローンの種類
上で説明しましたように、現在は銀行のカードローンでのおまとめが難しくなっており、消費者金融のおまとめローンが現在の主流になっています。
その中でもよく使われている商品を、いくつかご紹介します。
アイフル「おまとめMAX」
貸付限度額 | 800万円 |
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金利 | 年3.0〜17.5% |
アイフルのおまとめMAXは、年収の1/3を超えている借金も1本化できる貸金業法に基づいたおまとめローンです。
貸付限度額が800万円と高額に設定されていますので、高額な借金をまとめることにも利用できます。
オリックス・クレジット「VIPフリーローン」
貸付限度額 | 800万円 |
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金利 | 年3.0〜14.5% |
オリックス・クレジットのVIPフリーローンも、年収の1/3を超えた借金も1本化できます。
最高金利でも14.5%とかなり低く設定されているため、返済総額を減らすことも可能です。
ただし、利用できるのは年収が400万円以上の人に限られます。
アコム「貸金業法に基づく借換え専用ローン」
貸付限度額 | 300万円 |
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金利 | 年7.7〜18.0% |
アコムの貸金業法に基づく借換え専用ローンも、その名前から分かりますように、年収の1/3を超える借金を1本化できます。
借りられる金額が300万円までとやや低めですが、300万円以上の借金を抱えている人は限られているので、それほど気にする必要はありません。
プロミス「おまとめローン」
貸付限度額 | 300万円 |
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金利 | 年6.3〜17.8% |
プロミスのおまとめローンも他のおまとめローンと同様に、総量規制の例外となる年収の1/3を超えた借り入れが可能です。
プロミスは三井住友銀行グループですので、大手でまとめることができるという安心感があります。
おまとめローンのメリット
複数から借りたお金のまとめ方として、おまとめローンはとても大きなメリットがあります。
代表的なメリットはこの4点です。それぞれのメリットを詳しく見ていきましょう。
返済回数が毎月1回になる
複数の業者からお金を借りている場合、毎月何回も返済日があり、ほぼ毎日のように返済に追われることになります。
おまとめローンを利用するとこのプレッシャーから開放されます。
返済日が月に1回ですので、その日にきちんとお金を用意しておくだけですので、精神的なゆとりができます。
月々の返済額を減らすことができる
おまとめローン前は5社にそれぞれ1万円ずつ返済していたとします。
そうなると月々の返済が5万円ということになります。
おまとめローンで1本化すれば、月々の返済を2万円や3万円といった無理のない金額に設定できます。
これにより生活困難な状態から開放されます。
金利を下げられることもある
例えば金利18%で5社から借りていたとします。
金利というのは借入金額が大きくなればなるほど下がりますので、5社の借金を合わせると金利が大幅に下がることがあります。
例えば上記のオリックス・クレジットの「VIPフリーローン」なら最高金利でも年14.5%です。
金利が下がるということは、おまとめ前と同額を返済したとすると、利息の総額を大幅に減らすことができます。
しかし、デメリットもあるんじゃ。しっかり見ておくんじゃぞ。
おまとめローンのデメリット
借りすぎた借金を1本化して返済しやすくできるおまとめローンですが、メリットだけではなくデメリットもあります。
この3点がデメリットとして挙げられますが、それぞれのデメリットについて詳しく説明していきます。
返済総額が増えることもある
おまとめローンを利用すると金利が下がることもあり、返済金額が減ると思われていますが、返済額を減らしてしまうとそれだけ返済期間が長くなり、支払う利息が増えてしまう可能性があります。
例えば100万円を金利18%、36ヶ月での返済をするのと、100万円を金利15%、72ヶ月で返済するのとでの利息を比べてみると下記のようになります。
金利18%、36ヶ月 | 利息 301,486円(月々の返済額:36,152円) |
金利15%、72ヶ月 | 利息 522,441円(月々の返済額:21,145円) |
月々の返済額は小さくなって返済は楽になりますが、利息がかなり膨れ上がっているのが分かるかと思います。
ちょっと驚くような金額になっていますが、おまとめローンを使って返済期間を伸ばすとこのようなことが実際に起きますので注意してください。
審査に通りにくい
おまとめローンを利用するというのは、家計の状況がかなり悪化している状態にあります。
このため、審査はかなり厳しくなります。
もちろん、安定した収入があり、借入総額が年収の1/3以下で、これまで滞納もしていないというのであれば、審査はそれほど厳しくはなりません。
反対に、収入が少なかったり不安定だったりして、借入金額が多すぎる場合には融資を断られる可能性があります。
滞納の履歴があるとまず間違えなくおまとめローンを使うことはできません。
とても便利な金融商品ではあるものの、利用できる人を選ぶということも頭に入れておきましょう。
おまとめローン以外での借金返済は以下のページを参考にしてみてください。

また借金を重ねてしまう可能性がある
おまとめローンを利用すると、借金返済のプレッシャーが軽くなることもあり、ついついまた借金をしてしまう人がいます。
最初は少しくらい大丈夫という気持ちで、気がつけばまた多重債務ということも珍しくありません。
いくら返済が楽になっても、借金癖が直るわけではないので、結果的に破綻するのを先送りしただけということがよくあります。
おまとめローンを利用するのであれば、それは立て直しをするためのラストチャンスと考えてください。
おまとめローンを利用するときは慎重にするんじゃ。
おまとめローンと任意整理はどちらがいい?
おまとめローンの情報を調べていると、「おまとめローンではなく任意整理すべき」といったアドバイスをしている弁護士や司法書士の記事を見かけます。
おまとめローンを使っても、損をするだけで、任意整理なら返済金額も減らせて返済も楽になると書かれています。
任意整理は債務整理のひとつで、弁護士や司法書士が貸主と交渉をして、無理のない返済ができるように調整が行われます。
月々の返済額を減らすこともでき、さらには任意整理後の利息をカットしてもらえることもあります。
これならたしかに任意整理をしたほうがお得な気もしますが、任意整理をするとブラックリスト入りします。
しばらくはクレジットカードも使えなくなりますし、お金をかりることもできなくなります。
おまとめローンを使ってもきちんと返済できないのであれば、次のステップとして任意整理を選ぶという方法もありますが、まずはおまとめローンでの完済を目指しましょう。
返済総額が膨れ上がるかもしれませんが、返せない金額ではないはずです。
それでもどうしても返済できないとなったなら、闇金融などを利用する前に弁護士や司法書士に相談してみましょう。
おまとめローンは一括返済を目指そう
借金のまとめ方のひとつとして、とても有効的なおまとめローンですが、お伝えしましたように月々の返済額を減らすと利息が驚くような額に膨れ上がります。
このためお金があるときに繰り上げ返済をするという人もいますが、繰り上げ返済はあまりおすすめしません。
おまとめローンを利用するときには、返済をしながらも貯蓄を行ってください。繰り上げ返済できるお金があるなら、すべて積み立てておきましょう。
そうしないと思わぬ出費があったときに、おまとめローンの返済が滞ってしまいます。
もしかしたら、また他から借りてしまうかもしれません。
それを回避できる唯一の方法が貯蓄です。
おまとめローンで返済している額の半分程度の金額を毎月積み立てておくと、いざというときに困らずに済みます。
そして積立額が返済残金を超えたときに、一括返済してください。これで利息も抑えることができます。
大事なのは急いで返済することではなく、確実な返済ができる環境を作ることですので、必ず返済と同時にお金を貯めるようにしましょう。
なかなかお金が貯まらないボクには、耳が痛いなぁ。